くじら
「なんて言葉ですか?」
「『そんなきれいな目ははじめてみたの。羨ましい…』て、」
織人さんは言いながら
少し顔を赤くしていた
照れてるんだ…
「……その時は、素っ気なくしたけど嬉しかった。―それから綾さんは英語を勉強しだしたんです…俺と話したいからって」
「…そんな理由があったんですね」
―いずれ留学
したいと思ってるの
綾子さんが言ったのも
きっと織人さんの為だ
「単純でしょう。…」
織人さんはふっと笑った
「だから、…その……瑠璃子さんも、先生の為に何かしたいと思ってるならされた方がいいですよ。案外、簡単に気持ちは動くから」
「…がんばります。」
「…いざとなったら俺の家の力も貸しますから」