くじら
コンコンッ
「…織人です。良くなりましたか」
「あ、はい。はい」
ガチャッとドアを開けると
織人さんがいた
「大丈夫みたいですね。…先生も」
「ありがとうございます。綾部様」
先生はにこりと笑った
瑠璃子さんは
水を貰いにいってもらってる
「……無事で何よりです。藤堂先生」
「…すいません。迷惑をかけてしまい」
初めて顔を合わせた
藤堂久白…
「一応、俺の知り合いという事にしときました。説明が面倒だったので、」
彼はえぇと頷いた
「…何があったかは聞きませんが、のびていた使用人が話しましたよ。一応警察に引き渡しました」
「…そうですか。」
「俺も貴方がしてる事を詳しくは知りません…が。多少は聞いてます。白鴉の藤堂先生」
じっと俺は彼を睨む
穏やかな目で俺を見返す
「……貴方が知ってる通りですよ。分かってるなら話をする必要はないですね」
何を聞いても揺らがない
瑠璃子さんは
知らないだろう、彼の一面
「………貴方はよくても、瑠璃子さんはどうなんですか?貴方の事で苦しんでますよ、」