くじら
「今日も退屈だったわ……。はぁあ…」
お母様が見たら
はしたないと言うため息
でも自分の部屋くらいなら
毎日 毎日つまらない
女学校も 何もかも
みんなが話してる事と言ったら
醜聞ばかりで 聞きたくもない…
それ以外で
何かないのかしら…
コンコンと扉がノックされた
「…るり子、いるかしら?」
「はい、お母様どうぞ…」
決まりきった
言葉を私は言う…
キィと扉があき
母が入ってきた……
またいつもの 話?
『淑女たるもの…うんたらかんたら…』っていう
「るり子、こちら、御父様のお知り合いの藤堂様…」
母様の後ろにいた
人がよこに出てきた…
「はじめまして、藤堂久白と申します。四条瑠璃子さま」
「あ……、よろしくお願いいたします。」
にこりと笑った。