くじら


「避暑どちらに?」




「軽井沢です。人目も少ないですし…、暇があれば…ですが」





藤堂先生は少し黙り頷いた



「大丈夫です。」



「…じゃあ綾さんに連絡させます。近日中に…」




「ありがとうございます。綾部…」





「織人で構いません。…藤堂先生」






気付いたように笑い
また頷いた。




































「やっと来れたわ!避暑~」




綾子さんは嬉しそうだった



「…すいません。綾子さん、私のせいで」




綾子さんは首を振った



「気にしないで、仕方ないわよ。織人さんがしっかりしてないのが悪いのよ…」


「…あはは。」






車はまだ軽井沢にはつかない




時間が掛かるらしい…





織人さん達は
先に行ってるみたいで



綾子さんはエスコート精神
の欠片もないわ!と怒ってた





…織人さん達



先生もこの避暑に
くると言ってくれたらしい




ドキドキしている



「…良かったわね。先生と避暑なんて、いいわ~」



「織人さんがいらっしゃるじゃない?」





「……それとはまた別の話になるの。」


別の話……?




綾子さんは秘・密と笑った







悩み事も何一つ
解決してないけど…


すこしだけのんびりしたい…






帰ったら悩み事全部に
立ち向かえる力がいまは欲しい。
< 203 / 370 >

この作品をシェア

pagetop