くじら
「避暑どちらに?」
「軽井沢です。人目も少ないですし…、暇があれば…ですが」
藤堂先生は少し黙り頷いた
「大丈夫です。」
「…じゃあ綾さんに連絡させます。近日中に…」
「ありがとうございます。綾部…」
「織人で構いません。…藤堂先生」
気付いたように笑い
また頷いた。
「やっと来れたわ!避暑~」
綾子さんは嬉しそうだった
「…すいません。綾子さん、私のせいで」
綾子さんは首を振った
「気にしないで、仕方ないわよ。織人さんがしっかりしてないのが悪いのよ…」
「…あはは。」
車はまだ軽井沢にはつかない
時間が掛かるらしい…
織人さん達は
先に行ってるみたいで
綾子さんはエスコート精神
の欠片もないわ!と怒ってた
…織人さん達
先生もこの避暑に
くると言ってくれたらしい
ドキドキしている
「…良かったわね。先生と避暑なんて、いいわ~」
「織人さんがいらっしゃるじゃない?」
「……それとはまた別の話になるの。」
別の話……?
綾子さんは秘・密と笑った
悩み事も何一つ
解決してないけど…
すこしだけのんびりしたい…
帰ったら悩み事全部に
立ち向かえる力がいまは欲しい。