くじら

「はい。…あまり大きなものではないらしいんですが、」





「…そうですね。藤堂先生はどうなさいます…」


織人さんは 意見を聞いた



織人さん 藤堂先生て
いつの間に呼ぶようになったのかしら




「構いませんよ…。行きましょう、せっかく来てるんですから」



「決まりね。浴衣選ばないといけないわっ…」



「……行動が早いな」


織人さんはちょっと
呆れたみたいだった










「先生…」



「…浴衣は決まりました?」



クスクス笑いながら聞いた




「…浴衣はいいんです。」


「残念ですね。楽しみにしてたのに…」



あながち冗談
じゃなさそうだった




「…先生は、どうして避暑なんかに」




「…ちょっと考え事したかったんですよ。ここは涼しいから…」






考え事…



「…そういえば傷治ったんですね。手首の…」



「あぁ…。瑠璃子さんも包帯が取れたみたいで安心しました」




にこりと笑いながら言った






「…はい。」












「どうかしました…、」



「え……あ、何でも無いです」
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