くじら
「…職権乱用ですがね、一応先生だから」
わざわざ私の誕生日を…
「……そうですか。嬉しいです、ありがとうございます」
先生はふっと
口に手を当てて笑った
「まだ何もあげてないのに嬉しそうですね、おかしな人だな」
「………っ、すいません。単純で」
何だかからかわれてる
「怒らないで下さい。瑠璃子さんは、すぐに表情が変わるから見てて可愛いなと思うんですよ…」
また…そんな事言って…
「ここにいる間は堂々と君と歩けます。行きましょう」
私の手を握った
「……」
私は何も言わずに握り返した
「……ちょっと休憩を」
「構いませんよ。」
いつの間にか
神社の境内まで来てしまった
「…大丈夫ですか。気分とかは、」
「平気です。久しぶりに外歩いたから、…ちょっと疲れただけです」
ははっと笑ったら
先生は息をはいた