くじら
「變な事言ってごめん。……ありがとう、」
ありがとうしか言わなかった先生
「…いいえ。私のほうこそすみません」
気持ちは読めないけどちょっと緩んだ顔になった
「帰りませんか。先生そのままだと風邪をお引きになります…」
「そうだね…、」
先生は着物をキチンと着た。
いつもの姿に安心した
「…瑠璃子さん、先生は、」
「着いた途端寝てしまって…、疲れたみたい」
別荘について先生は死ぬように寝てしまった
「織人さんのせいでしょ!先生苛めてー」
綾子さんは織人さんをきっと睨んだ
「…苛めるかよ。むしろ逆に叩かれたんだぞ。聞いたらガキの頃から武道全般を叩き込まれたみたいで…」
「当たり前でしょう。藤堂公爵樣のご子息なのよ、」
そうだ先生は藤堂公爵の息子さん…
文武両道で教養もある。
ただ…
―人間以外に生まれたら良かったのかも
「…やだ!あざになってる~!織人さん弱いのね」
「……もういい、」