くじら
「……」
「教師をしながら、家を継げると思ってるのか?」
「……」
お父様は
わかって下さるわ……
分かるわけない…
わからない…
「……、お前は藤堂という名を背負う人間なんだ。教師なんて…」
教師なんて…
誰も貴方の事
笑ったりしないわ
立派な夢だわ。
彼女は立派な
夢だと言ってくれた
けど 父にしてみれば
くだらない夢なんだろう
「じゃあ貴方には将来を悩まなかったと?夢は、なかったんですか」
「……」
「失礼しました。」
無駄だと思った。
否定しか言わない彼に
何度も言っても…
澄さんにその事を
言うとそうと頷いた。
「…、諦めた方がいいんですね。多分」
「……、ごめんなさい。私が言ったから…」
「澄さんのせいじゃないです。」
なんで同じ人間なのに
考え方が違うのだろう…
澄さんと父…
「……」
ある日。
急に澄さんから呼び出された
泣いていた。
先生に僕と付き合ってる
事がばれたといっていた
「なんで…?」
「久白君逃げて、三高の家が貴方を狙ってるわ…」
澄さんは震えていた
俺を狙っている……。