くじら








一緒にいて先生は
優しいひと だと感じる





底抜けに
優しくて優しくて




だから、私を一度は突き放してくれた





だけど 無理だった




好きになってしまった











「先生は確かに重いかもしれません、けど私は諦めたくないんです。」


私は、前をみる





「わたしが諦めたら、先生はまた諦めて人を信じなくなって……。そんなの悲し過ぎるじゃないですか…」



瑠璃子さん、ありがとう…



信じて信じて
裏切られて……




「…だから、」






すっと風が入ってきた





「……」



「静加さん。」








「……兄さんは、完璧な兄です。今も昔も、あんな事があって…少し変わってしまった。」




静加さんは
小さい声で話した




「いつの間にが白鴉゙なんて名前がついて。僕は何も出来ず見過ごしたから…、だから貴女を責める資格はない」





「……静加さん」








< 272 / 370 >

この作品をシェア

pagetop