くじら
一緒にいて先生は
優しいひと だと感じる
底抜けに
優しくて優しくて
だから、私を一度は突き放してくれた
だけど 無理だった
好きになってしまった
「先生は確かに重いかもしれません、けど私は諦めたくないんです。」
私は、前をみる
「わたしが諦めたら、先生はまた諦めて人を信じなくなって……。そんなの悲し過ぎるじゃないですか…」
瑠璃子さん、ありがとう…
信じて信じて
裏切られて……
「…だから、」
すっと風が入ってきた
「……」
「静加さん。」
「……兄さんは、完璧な兄です。今も昔も、あんな事があって…少し変わってしまった。」
静加さんは
小さい声で話した
「いつの間にが白鴉゙なんて名前がついて。僕は何も出来ず見過ごしたから…、だから貴女を責める資格はない」
「……静加さん」