くじら


彼はふっと笑った



「そういえば、先ほどの方はお友達ですか?」




いまは踊っている
亜美子さんを見ていた




「はい、花園亜美子さん。女学校の友達です」




へぇ と亜美子さんを
見て 昴さんは笑った




「綺麗な方ですね、ご友人の方も…」





「あ、ありがとうございます。」




亜美子さんが


皇族の出身だと
知っているのかな




「昴さんは、学生ですか…?」



先生は私と
同じ歳だ、と言っていた



「まぁ一応学生です。来年は大学にいこうと考えてます…。」



「大学に…、凄いですね。」




「瑠璃子さんも来年ご卒業ですか?」




来年…。



「はい……」



進学するのか、
どこかに嫁ぐのか、



私はまだ選択が出来ない




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