くじら
「ただの興味。」
「……大人には大人の事情があるんですよ、昴」
昴はきっと自分を睨んだ
「あっそ。」
「……昴。僕が死んだら嬉しいですか?」
「は……、何その冗談。まさか…」
「……ただの空想です、女性を待たせては行けませんからね、さよなら」
昴はちょっと動揺し
後ろの車に乗り込んだ
「……」
「死ぬとはどういう意味でしょうか…」
雅昭さんは 真剣と
皮肉が混ざった表情で言った
「一時的に君が死んだという既成事実を作る。藤堂家の目の前でね…」
「そしたら白鴉の仕事は終わる。藤堂家の人間は焦るだろうその間に、君は英国に逃げてもらう」
「そのあとは、」
「……僕等の特権をふんだんに使わせて彼等を叩き潰す。」
叩き潰す。
綾部伯爵はにこやかに笑った
「君は構わないね、身内に手が下るが…」
俺は頷いた。
それしか方法はないのだ…
「…僕のやってる事は遅かれ早かれなくした方がいいんです。藤堂家も三高家も…多少の被害が出ないとわからない……」
雅昭さんは笑った
「やはり君は、久遠様に似ているね。少々身震いしたよ…、」