くじら
「お早う、瑠璃子さんー、」
久しぶりの登校日は相変わらず暑かった
「…おはよう。綾子さん」
「く、暗いわよ!何かあったの……は、まさか先生と何か…」
ひそひそ声で綾子さんは言った
「違うの。聡子さんの事で、ちょっと…」
「須藤聡子さん?お会いしたの…」
「昨日会ったんだけど…、」
「おはよう、四条さん。二階堂さん」
「おはようございます、藤堂先生」
振り返ると先生がいつも通りの笑顔で立っていた
「聡子さんが昨日家に来たんです。…その旦那さんからの暴力の事言ったんですけど…笑っていて」
先生に話したら話しをきいてくれると
言ってくれていま空き教室で話してる
「……、わたし何も言えなかった。」
「…他人の家に口出しは出来ません。仕方ないです、」
仕方ない
そう言えば全て解決するの
問題から逃げられるの…
でも
「でも…、」
「……君が望むなら僕が助けられます。今すぐにでも…、」
「…本当ですか。」
先生は言いづらそうだった
「…白鴉の、仕事で。彼女だけを救えます、あとの人間は没落させます、それが僕ができるギリギリの方法です…、」