くじら



「…」



「きみに言ってなかったけど、須藤家を潰す仕事が来てます。」



「…先生……」




「…聡子さんは暴力を受けてます。…引き離すならそれしかないです。」




それしかない…







「君が言えば僕がどうにか動けます」






先生は真剣な目をしていた。



「須藤を潰した後、白鴉をやめます。これがきっと最後の仕事です…」




先生の仕事で
聡子さんは助けられる






これがさいごの仕事
先生がもう哀しい顔をしない





「…先生は大丈夫ですよね、」



「大丈夫だよ。これが最期だから…きっと」








きっと最後…










わたしは 先生に頼む
言葉を口に出そうとしていた
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