くじら






どん、と音をたて
木から落ちてきた。



ひひ… 人




私と同じくらいの男の子




黒かみに…、青い目…





「はい、君のだろ。」



男の子は帽子を持ってた



「あ、…ありがとう、」




青い目に気をとられていた。





この子は、ハーフなの



身体についた葉っぱをはらってる彼をじっと見た






「何見てるの、ハーフがそんなに珍しいのか?」


「……はい。」


素直に頷いた

彼は顔をしかめて私を見る





「……これだから日本人は…」



明らかに嫌みのこもった言葉だった



ジロッと睨まれ立ち竦む





「…綾子!」





「織人さま!此方に居られたのですかっ…。ホールにいないと思ったら…」




母様と執事の人が同時にきた




「母様…。すいません」



「…心配したのよ。駄目よ、急にいなくなって」




母様はかがんで私の目を見てくれた





「……失礼致しました。二階堂様…こちらが綾部伯爵のご子息の綾部織人さまです」




執事の人は、はぁとため息をついて…彼、織人さんを紹介した





「はじめまして…」





彼と初めて会ったのがその時



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