くじら
パーティー当日
私は母様に連れられ綾部家に行った
「まぁ二階堂の奥様、綾子さんもいらっしゃい。ゆっくりしていってくださいな」
「えぇ…、ありがとうございます」
パーティー会場は人がたくさんいた
お父様は他の人と話している
母様は挨拶に来た人と話し始めた…
わたしはリリーおば様に話した
「おば様、織人さんは…?」
「…いないの。多分裏庭だと思うのだけどれど…、中々わたしも目が届かなくて探してあげて頂戴。」
おば様は心配そうだった
「…探してみますわ、おば様」
私は裏庭に急いで走って行った
「織人さ――ん、おりとさーん、」
裏庭に来たけど見当たらなかった
いないのかしら…
「うるさいよ。何しに来たんだよ…」
「おりと…さん!」
木の上から顔を出していた
「…パーティー…招待ありがとう。」
「別に…、母さんがやりたいて言い出したからついでだよ」
ついで…
綺麗事を言うな…
あの子はそういう中で生きてきたから…
ありがとう綾子
「……」
手のひらをにぎった