くじら
「……」



「つい苛々して言ってしまったんだ。悪気はないんだ」




「…そうなの。」





「君が悪いわけじゃないんだ。ただ苦手なんだ、ああいう誉めことばは…」


照れくさそうにぼそぼそと言った










…会場に行くよ と織人さんは照れ隠しみたいに言い会場に向かった



そういえば彼を探しに来ていたんだった






リリーおば様の所に一緒についていった




「織人。またさぼっていたんでしょう、ダメよ。勝手に抜け出したら……」



「……すいません。」




リリーおば様はふぅと息をはいた


「いいわ…。綾子さん探して下さってありがとうね」




「いいえ」










リリーおば様はお客様によばれ人混みに消えて行った…





「……もしかして、私が来た時もサボろうとしてたの?」



「まぁ面倒だったし、パーティーもそうさ。ただの仲良しごっこ…。所詮大人のエゴだろ」




「…あたしは楽しいけど。エゴだろうが何だろうがごちゃごちゃ考えたら、頭が壊れてしまうもの。なら楽しんだほうが得じゃないかしら」




< 297 / 370 >

この作品をシェア

pagetop