くじら
「瑠璃子、藤堂さんは今週から女学校で国語の教師をさなるそうよ。」
「…そうなのですか、何卒ご教授の程を…」
いえいえと
藤堂さんは首を振る
「少しお話なさってなさい、雨で馬車が遅れるらしいから」
母様は そう言うと
パタンと出ていった
「………、」
「…随分と白々しい事を言うんですね、貴方は、ご教授だなんて…」
藤堂さんは 笑顔で話した
何か掴めない笑顔
「本当の事です。私は国語は好きです、…もし英語だったらあんな事言いません。嫌いですから、」
一瞬黙って 私を
見た後 クククと笑い出した
「成る程、英語はお嫌いなんですね?お嬢様は…」
皮肉のように
お嬢様と私を呼ぶ…
何だか わからない教師。
何だか恥ずかしい、
英語が苦手なんて
言う事じゃなかった。