くじら




「お前も言ったろう、流されるまま生きるなって…、」





「まぁな…、」








学校には
生徒は残っていない…



とても静かだ。






「倉田、」



「あぁ?」






「俺のやってる事はもう古い。何せ、江戸生まれの爺共が決めた事だからな、だから終わらせなきゃいけない。どんな形であれ、新しい時代がくるんだ…」




「新しい時代か、来るのかよ?」




不思議そうに彼は尋ねた



「いつか時代にも終わる時がくる、ずっと続くものなんてないんだ…」





ずっと続くものなんてない






きっと澄さんへの想いも





続かない…












「悟ったみたいになってるぞ、お前」





「悟ったんだよ。」








二人して 笑った、



続くものはない
けど形をかえて続くものはある








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