くじら









「ちょっと織人さん、いつまで粘ってるのよ!はきなさい、ほらほら」





「ランプを俺に向けるな。」




「だって、瑠璃子さんがぁ!落ち込んでるのよー、この薄情者が」





「綾子さん、いいから。大丈夫よ、きっと織人さんごめんなさい。」



綾子さんはランプを
片付けながら言った




「……平気なのぉ?本当に」




「綾さんが余計な事言うから、言いづらかったんだ。瑠璃子さんも」



織人さんははぁと息をつく



「なによ~。勝手に先生と話つけて」



「……、織人さん、藤堂先生はこれで最後って言ってました。…つまり白鴉をやめるって事ですね」



織人さんは 頷いた
綾子さんは ハクガ?と首を傾げてた





「…そうですよ。先生はやめたいと父に言いました、だから綾部家の力を使って白鴉をやめたいらしいです…」



「…綾部家」





先生と綾部家、
何か関わりがあるのかしら…



「うちの父が学生時代の藤堂先生を知っているんです。父は昔、一時期慶應にいたことがあります…、」



「慶應って…、藤堂先生そんなに頭がよかったの」




綾子さんは ははぁと
首をかしげた
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