くじら

「……帝大も余裕で狙えた学力だったらしい。…何故慶応にきたかは知らないが…まぁそういう繋がりで父は協力を決めたらしい」








「そうなんですか」



織人さんのお父様が慶応にいて 先生が慶応大生で…






「……何だか頭こんがらかってきたわ。織人さんの馬鹿」





「馬鹿はそっちだ。とにかく大丈夫ですよ、瑠璃子さん。何も問題はありません、父も乗り気ってか…面白いみたいですし」




「…面白いですか?」




綾部伯爵が?


いまいちわからないけど



「叔父様、悪戯が大好きなのよ。だから乗り気なの」



織人さんをジロリと見ながら綾子さんは呟いた




「…壮大な悪戯だな。逮捕者も犠牲者も少なくはないからな…、」







織人さんは ふっと笑った
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