くじら
〈先生目線〉












彼女を逃がし、屋敷には
彼や彼に関わる者しかいなくなった




コツコツと部屋に進む



灯りが漏れている





「この部屋か…」





「どうにかして、金を増やすんだ。……法は多少無視して構わないから…」




中から声がする。




「……何で突然、取引が無くなるんだ」





どんっと 机をたたく音がする









お前のせいだ…。



わかってる


けど本当に俺のせいか?











「なぁドアの近くに誰かいないか?」



「まさか、考えすぎだよ」



須藤の切羽詰まった声が聞こえる





「……。ちょっと休めよ、須藤」







「うるさい!こっちは瀬戸際なんだ、俺の代で家を潰すわけには行かないんだよ!…、」




「…悪かった、言い過ぎたよ。駄目だな」






< 311 / 370 >

この作品をシェア

pagetop