くじら
「…何を手を焼いている久白。」
「……父…上」
父上…なんで?
何でもないように入ってきた
須藤は 父を見て
俺の襟首をぱっとはなした
藤堂貴紀…
「下衆が…。許しを乞うな、見苦しい。久白早く決着をつけろ、情など必要はない…」
「……法外な取引をした、しいては法を破った。お前は裁かれなければならない。須藤家当主・須藤光一…、」
冷静に情はなく言う
早く終われ……
「恨むならこうなった自分を恨むんだな」
がくりと床に崩れ落ちた
俺は部屋を出た
父も当然のように出る
階段を降りる時
警察の来る足音がした
「なぜわざわざあなたが?」
「…須藤さまと話をしていたのだ。」
話…
「珍しくお前も手こずっていたようだからな…。手助けみたいなものだ」
「……ありがとうございます。」
自由になれる。
玄関まできた。
父より先に俺は外に出る
「お先に失礼いたします。父上…」