くじら




「先生、ご自分は監禁されているんだと自覚なさって下さい。近いうち三高様がいらっしゃいます…」




三高様…




「…ひとつ君に聞いていいかい?」


「何です、」





「以前、春にパーティーがありました。君は瑠璃子さんといたはずです…けれど瑠璃子さんは昴に連れ去られた。君が仕組みましたね」




花園さんはふっと笑った



「証拠もないのに疑わないで欲しいですわ…先生。」



花園さんは
自分に近付いてきた



着物の裾が触れあうか
あわない位置で彼女は話す






「…何のつもりですか。」



「わたし別に先生の罰とか…興味ありません。…けれど先生には興味があります…もし先生がその気になって下されば……。私お父さまにお願いしますわ…」







「……」






「返事はいつでも構いませんわ。藤堂先生…」








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