くじら
あいにく父様はいなかった
母様に…言わなきゃ
綾子さん家にいくこと…
「ただいま帰りました…」
「あらあら瑠璃子。お帰りなさい、支度出来ているわよ」
母様はいそいそと荷物を
持って私に近付いてきた
「母さま…?何を」
「綾部様からお電話があって、是非とも綾部家に来て頂きたいって。良かったわね…しばらく逗留して欲しいてお電話があったの…」
「…そうなのですか。」
雅昭様 …手回しが早い
母様はうきうきしている
もっと疑わないのだろうか。
「綾部様は、貴方に外国の方や高貴な方を紹介して下さるみたいだから。しっかりね…」
高貴な方…
狙いはそれ なのだ…
「わかりましたわ。母様」
にっこり笑った
嘘っぽくみえないように…