くじら





「で…作戦だか、協力はしてくれると受け取って構わないかい?」




「えぇ…。」



「久白君も君も躊躇わないなぁ…、いいのかい。親、一族を裏切って…」




親父は笑いながら話す
一方、藤堂先生の
弟…は冷静に告げる




「構わないです。僕は兄ぐらいしか信じていませんから…むしろ裏切って滅んでくれた方が嬉しいです」



なんてことを口にするんだろう


滅びた方がいい…なんて




冷静に告げる
から余計寒気を感じる




「決まりだね。織人と相棒だ。当日は宜しく頼むよ」




父は 笑いながらいった



















父が用事で
出ていき二人になった…





「…あの、」




「何ですか?」



「滅びた方がいいてさっき言われたましたが…あれは」




藤堂先生の弟はあぁと
自分で言ったのに
忘れたような態度だった




「…あの家は滅びた方がいいんです。ずっと考えてました、」


「なぜ、」




「藤堂家はまるで檻みたいな家でした…知らぬ間に家名に縛られ、みな自由にはなれない。…だから兄は彼女…澄という方と恋仲になってしまった。」





「……」





家が檻…

自由にはなれない。
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