くじら


















「ん、もう。うざったいうざったいこのドレスー」



「綾子さん、落ち着いて…」




「…はぁ、」




綾子さんは
黙ってお菓子を口にいれた



舞踏会は夜からで、
今は四時を過ぎたところ…






意気込んできたものの
まだ先生を助けられない


織人さん、静加さん、雅昭さん
ほかいろんな
協力者の方が探り探り動いている



あたしたちはまだ
動くなと言われ動けないのだ…



「はぁあ…結局夜まで動けないのよね。なんか拍子抜けだわ…つまんない…」


「…先生の居場所はわかってるみたいだけど。」



綾子さんは そうねと頷いた




「やたら御屋敷が広いから戸惑ってるのよ、さすがの叔父様も手ごわいんじゃないかしら…」




すれ違った
令嬢に挨拶をながら呟いた



「…」



「ま、大丈夫よ。せっかくだから楽しみましょ?」




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