くじら



「……お嬢様なんて呼ばないで下さい。」




「何故ですか。」





「藤堂さんに"お嬢様"と言われるとからかわれているとしか思えないから…」






あぁ……。




藤堂さんは、目を細めて笑った



雨の音がはっきり聞こえる



彼は少し
思案したのか口を開いた


「…じゃあ瑠璃子さんで構いませんか。貴方は僕の生徒だから、…」





「ではそれで……」



私はコクリと首をたてに振った




また、ククと藤堂さんは笑った







「次に会うときは、先生と呼んでくれたら嬉しいです、瑠璃子さん」






ちょうど ノックの
音と同時に 響いた


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