くじら







ごめんなさい、先生










「よく会うねぇ。四条のお嬢様、」



帰り際にまた また
倉田…先生と会った




「…はぁ…、」




何がしたいのだろう
この先生は…。


「―四条さんは藤堂の事が好きなんですか?…」




「…っ、」



ヘラヘラと 倉田先生は笑っている




「…私は…、」




「―ならいいんだ。…あいつは変人だから。ま、その割に女性に気に入られるんだが……」





「だが……、何ですか?」



確か前に先生の家に
行った時 女性が飛び出ていった






「…何故か離れてく。だから、あいつは女性を信じられない…。むしろどう信じていいか分からないんだろうな…」




「……」



信じられない。




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