くじら
「瑠璃子、顔色が悪いけど大丈夫?」
「母様…大丈夫です。」
母様に答えて部屋に入った
本当は大丈夫じゃない。
何だか頭がクラクラする
―瑠璃子さんは 好きな人と幸せになって欲しいの
―藤堂に信じさせてやって欲しい。
―僕はどう見えますか?
「先生…。」
ほんの一瞬、
そう言った先生を見た時に、
寂しそうに見えた。
淋しくて でも
笑ってる事しか出来ない
寂しいって
押し殺してるみたいな…
先生が…好き
だけど、
好きだと言ったら
みんなを騙す事になる
母様も 兄様も
友達も 何もかも