くじら

着物も濡れて立って
いるのがやっとみたいな…



「…すいません。瑠璃子さん…」




先生の立っている所は
水溜まりが出来ている



何でこんなになったの?




「早くお風呂に入って下さいっ!風邪を召されたらどうするんですかっ、松田っ。お風呂に案内して差し上げて…」




「畏まりました。どうぞ、藤堂様…、」





「いいんですか?」



先生は躊躇っていた
何をためらうのかしら?

自分の状態をわかってるの





「はやくっ!下らない事考えていないで、」



私は先生の手を引っ張った



「……はい、」






先生の手は冷たかった



「すいません、お世話になります」






先生は 松田さんの後をついていった。






とりあえず 一安心




えと、先生の為に
使用人に部屋を用意をさせて




他に、食事も……


あと着替えも…






する事が 急に増えた…
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