くじら
「心配して下さったのですか…?」
わたしを?
「えぇ……。前日に言おうと思っていた…のですが、瑠…璃子さんとは中々会う機会がなくて…、」
会う機会がなくて。
あたしは目を伏せた
会う機会を
無くしてたのはわたし。
答えが 出なくて
顔合わすのが気まずくて…
ずっと先生を 避けていた
「すいません。…先生」
「いえ…いえ。」
沈黙…。
先生は…目をつぶった
熱があるから、
もう寝ていないといけない
ホッとした気持ちで
席を立ち 部屋を出ようとした
「…すいません瑠璃子さん水を頂けますか?」
先生の声
「あ、は、はい…」