くじら
「瑠璃子さんはピアノは……」
先生は イスに座りながら聞いた
「私はピアノ弾けません。兄様ならたまに弾かれますけど…」
ザアァア
会話が途切れてしまった。
心無し気まずいわ…
「昨日から、貴方が言った事を考えてました。"後悔したくない"と言いましたけど、あれは何故ですか」
「……ある人から話を聞いたんです。その人…泣きながら話して、」
―わたし何も出来なかったの、金持ちの癖に…
「その人と約束したんです。」