くじら


「…だから僕は、貴女とは恋仲にはなれない。貴女が僕のせいでボロボロになるのは嫌です」






なにそれ…



わたしが


好きだった人に似てるから駄目?






先生は優しさで
言ってるんだろうけど





なんか 狡い



―逃げようとしてる。


わたし…からも
好きだった…人からも




逃げて楽なほうに…





「ふざけないで下さい。私は私です!嫌だとか、駄目になるとか言って、本当は先生は怖いから逃げてるだけです!―狡いですよ。そんな優しさだったら欲しくありません…」



私は言い切った


息は少し切れていた…




先生は
目を丸くして私をみた。



居なかった者が
急に見えて驚いたみたいに…





先生はきっと
彼女を見ていたんだわ



好きだった彼女を…。




でも彼女
じゃない事に気付いた…





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