獣百匹☆紅一点!?
「お、おまえはっ!」
「春矢!!」
「なんだよ、不良生徒会長のくせに、人助けか?」
生徒会長…?
春矢と呼ばれた人は、髪は真っ黒で少しくせっ毛。
目も髪と同じ真っ黒だった。
制服は少し着崩していて、身長は平均的。
そして、かなりのイケメンだった。
こんなにカッコイイ人、初めてかも…
「おい、おまえらそいつ離せ。」
「あぁ?なんでおまえの言うこと聞かなきゃなんねぇんだよ!!」
「……いいから失せろ。」
生徒会長さんが、男たちをにらむと、男たちは怯えた顔をして、屋上から出て行った。
「…大丈夫か?」
「……っ怖かったぁーっ」
私は思わず、生徒会長さんに抱きついてしまった。
「…あのさー。アンタ危機感持った方がいーよ?」
「うぇ?」
「…っそーゆーの、ヤバいって……」
生徒会長さんは、一度私を強く抱きしめた後、ぱっと離れて涙を拭いてくれた。
「あ、ありがとうございますっ」
優しい人だなぁ…
私は知らなかった。
この人が、私を波乱の渦に巻き込むことになるなんて…!
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