獣百匹☆紅一点!?
バンッ
「おはようございますっ!!」
ハアーハアー
静かな生徒会室に、私の荒い息が響く。
「9分59秒…合格だな。」
「あ、あと1秒遅れてたら…?」
息を整えながら、私が聞くと、会長はニヤッと恐ろしい笑みを浮かべた。
「どうなってただろうなぁ…?」
ゾゾーッ…
よかった…間に合って…!
私、死んでたかもしれない…
お父さんお母さんっ、未羽は無事ですよ!
「…え、何泣いてんの。」
「生きる素晴らしさを噛みしめてるんです…っ」
「プ…ハハハ!本当面白い奴だな。俺がお前を殺すとでも思ったのか?」
「え…」
「図星か。そんなことしねぇよ。遅れたら…お仕置きしようと思ってたんだ。」
会長は、ニヤニヤしながらそう言った。
「…お仕置き、ですか?」
私が尋ねると、会長は私の耳に顔を寄せ、呟いた。
「あぁ…。なんなら、今お仕置きしてやろうか?」
フッと耳に息を吹きかけ、腰に手を回された。
「〜!!え、遠慮しますッ」
「バーカ。顔真っ赤だぞ?」
クスクスと笑いながら、私の頬を撫でた。
「…っ意地悪〜」
「ほめ言葉どーも♪さ、行くぞ」
会長は、余裕の笑みを残し、先に生徒会室を出て行ってしまった。
悔しいっ!
人のことからかって…!
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