ロシアンルーレットⅡ【コミカルアクション】
何なのだ、これは一体。
面会室のアクリル板の向こう側にいる男、マイケル(プリズン・ブレイク)ばりにイケてるし。
蔦山さんの坊主頭、笑ってやろうと思ったのに、チッ。
俺が坊主にされた時なんか、『キュート』とか言われて兄貴に笑われたしね。
「有坂、元気そうだな。」
蔦山さんは俺を見るなり、あの懐かしい男前な笑顔を見せた。
この笑顔を見るためだけに、仕事していたあの頃を思い出す。
蔦山さんに認めてもらおうと、無我夢中で奔走した日々。
『ザ・青春』
「それはこっちのセリフですって。」
俺、素直になれず、ふて腐れる。
「何の用だ? 用がなきゃ来ねぇよな?」
蔦山さんたら、やっぱり可愛くない、まぁ、おっしゃる通りですけど。
「如月露子のことで来たんすけど。」
時間もないし、さっそく切り出してみた。
「誰だそれ?」
ふてぶてしい程の涼しい顔。
そう来ると思ったし。