ロシアンルーレットⅡ【コミカルアクション】
「そうだな、俺が死ねば良かった。」


 無意識に出た俺の言葉が、益々日置の怒りに火をつけた。


「あんたって、ほんとにバカ! 私はそんなこと思ってない! なんでわかんないの?」


「わかってる、わかってるから…」


 半狂乱の日置は今にも壊れてしまいそうで、どうすべきかわからず、とりあえず日置を恐る恐る抱き締めてみた。


「泣きたいなら泣けよ。我慢なんかすんな。」


 俺がそう言うと、日置は俺の胸に顔を埋めた。


 曇った泣き声を漏らす日置の、背中をさすってやることぐらいしか、俺にできることなどなかった。


 今、日置がチワワくんの本心を知ったら、余計に辛くなるだろうか。


 日置が俺の胸で泣きじゃくっている間、ずっとそんなことを考えていた。


 チワワくんから、日置への濃厚なキスも託されてるしね。


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