ロシアンルーレットⅡ【コミカルアクション】
上着のポケットから、30メガネに渡されたメモを取り出し、勝手に日置の車のナビを操作する。
「何やってんのよ!?」
日置が訝しげに俺をチラ見しながら言った。
「ここで降ろして。」
俺がそう答えると同時に、目的地周辺地図が画面上に出現、俺は『目的地に設定する』という文字に人差し指を当てた。
「なんでよ!? ふざけないで! 私はねぇ、すごく忙しいのに、あんたごときを迎えに来てやったのよ。すぐ戻んないと…」
「ここから30分もかかんねぇし。ケチくさいこと言うなよ。」
「有料道路を通って、30分!」
「え? そうなの?」
「そうなの!」
「料金は一課に請求して。」
「あんたが請求して、あんたが私に払いなさいよ。」
「じゃあいい、ここで降ろせ。」
もうここまでくると売り言葉に買い言葉だ、埒が明かない。
俺がふて腐れてそう言うと、不意に日置は黙り込んだ。