ロシアンルーレットⅡ【ｺﾐｶﾙｱｸｼｮﾝ】

　多恵ちゃんは、あんたの奥さんだろ？　俺には関係ない…　と正直俺は思う。


　けど言えない、何故なら今ここで命を失いたくないから。


　そんなこと言ったら確実に殺される。


「俺が行ったところで、兄貴が承諾するとは思えない。」


　ダメもとで言ってみる。


「龍はお前を異常なぐらい溺愛してんだ、絶対に『うん』と言うさ。」


　何故だか自信満々に、根拠のない間違った解釈で、谷口さんは俺を捻じ伏せた。


「ですよねー。」


　不本意ながらも同意したふりをして、無理やりに微笑んだ。