ロシアンルーレットⅡ【コミカルアクション】
 谷口さんも、俺と同じ結論に達したらしく、さっきから、一言も口を利かず、ずっと眉間に皺を寄せっ放しだ。


 やがて重い口を開いたと思えば、


「もうこうなったら、多恵の居場所を突き止めるしかねぇ。多恵の食料調達するとしたら、コンビニだ。

 日置たちに、多恵を拉致したヤツラの特徴を伝えてきた。今、あの辺一帯のコンビニの監視カメラを、片っ端から当たってもらってる。

 それらしいヤツが写ってたら、画像を送るように言ってある。」


 などと、とてつもなく気が遠くなるようなことをほざくしね。


 もう俺、どうすりゃいいんだよ!?


 こんな時、兄貴ならどうするよ!?


 兄貴の可愛い弟は、現在窮地に追いやられています。


 二度目の『窮地 オブ ザ イヤー』、ほんと勘弁して欲しいし。


 またしても俺の意思に背いて視界が霞む。


 俺は谷口さんに悟られないよう、顔を助手席の窓に向け、何度も瞬きを繰り返した。






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