ロシアンルーレットⅡ【コミカルアクション】
 カチャリと音を立て、ゆっくり開いたドア、10cmほどの隙間から、懐かしい顔が覗いた。


「何しに来た?」


 久々の再会だというのに、兄貴は表情一つ変えず、訪問者が最愛の弟だと認識した後の第一声がそれだ。


「相変わらず照れ屋さんだな、兄貴。」


 俺はわざとらしく薄く笑って見せた。


 俺の声に反応したように、兄貴の背後からひょこりと小柄な女が顔を出す。


 ああ… 彼女が噂の… 兄貴が溺愛中の恋人、『美百合(ミユリ)』。


 でかい目に、モチモチしたホッペ、まるで子供みたいだ。


 一瞬、兄貴がロリコンではないかと疑ったし。


 がしかし! 身体の方は、その幼い顔に不釣合いなくらい、成熟している。


 着ているTシャツの胸元の、何やら怪しいウサギのようなキャラクターのイラストが、超立体的に見える。


 まるで3D画像。

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