ロシアンルーレットⅡ【コミカルアクション】
 せめてその3分の1でも、うちの乃亜ちゃんに分けてやってもらえないでしょうか?


 とりあえず…


「初めまして、弟の皆人です。」


 俺は礼儀正しく挨拶し、彼女に右手を差し出した。






「・・・・・・・」


 俺は… 何故兄貴と握手しているのでしょう…?


 俺が彼女に差し出した右手を、兄貴が横からまるで奪い取るかの勢いで握った。


 ああ、そうですか、俺に『みゆっち(美百合)』は触らせないと、そういうことですか。


 兄貴の不必要なほどの嫉妬深さに、呆れて突っ込む気も失せる。


 従って、今回はスルー。


「兄貴、話がある。」


 兄貴の手を乱暴に振り払って、深刻な口ぶりで言った。


 兄貴は俺が来た理由を、なんとなく察したのか、みゆっちに目で合図すると、門の外へと向かって歩き出した。


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