ロシアンルーレットⅡ【コミカルアクション】
「名義は『結婚相談所ドリーム』となってるけど、広告も何も出てる様子ないし、しかも借りられたのがつい一週間前なのよ。」


 日置が真面目くさって言う。


 何が『結婚相談所ドリーム』だ、結婚相手見つけるどころか、結婚が夢となり儚く消えそうだし。


「間違いねぇな。」


 谷口さんはそう言って頷くと、ようやく視線を俺に移した。


 『僕はここにいます』と愛想笑いをしてみる。


「てめぇ、ヤル気ねぇだろ?」


 やっぱり後頭部を思い切りはたかれた。


 はい? ヤル気満々ですけど?


 そう思うなら、俺を置いてゆけば良いのだ、嫌だよ、敵陣乗り込むなんて、色ボケシルバーマン怖ぇよ。


 俺のそんな思い虚しく、谷口さんは俺の腕を乱暴に掴むとグイグイ引っ張り、俺を引き摺るようにして再び署から連れ出した。


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