ロシアンルーレットⅡ【コミカルアクション】
 どうも女の言葉と行動は合致しない。


 男は慌てて女を追い、肩を巻き込むように抱いて引き戻し、そのすぐ左手の襖を開けると、四畳半の和室へ連れ込んだ。


「こんなとこであたしを抱く気かよ? ふざけんのもいい加減にしな」


 女は男の腕を乱暴に振り払うと、もの凄い剣幕で怒鳴りつけた。


「おめぇみてぇな安っぽい売女にゃ、もったいねぇぐらいだ。板じゃないだけマシだろうが! グダグダ言ってねぇで、さっさと楽しませろ、クソが」


 ここまで来たらもう、女に逃げ場はない、男の方もすっかり強気になって、負けじと罵言を吐く。


 男が軽く頬をはたいてやると、女はいとも簡単に畳上にうつぶせた。


 その上に跨り女を仰向けにと転がしながら、男は先ほどの声の主に向かって言った。


「おい、親父からの臨時報酬だ。まずは俺が楽しむ。その間にお前と工藤でそっちの女、始末しとけ」


 聞こえるよう声を張り上げたつもりだったが、返事がない。


 男は小首を傾げるも、目の前の女への欲情が抑えきれず、そんなことはどうでも良くなってしまった。


 乱暴に女の胸を鷲づかむと、そのまま下半身へと左手を這わせた。


 女は諦めたように目を閉じ、大人しくしている。


「あん?」


 男は思わず間の抜けた声を漏らした。


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