ロシアンルーレットⅡ【コミカルアクション】




 係留所の桟橋には、どう見ても堅気でない野郎たちが群がり、円陣組んで作戦会議中。


 海沿いのコンクリートを囲うようにして、人工的に植えられた木の陰から、現在、俺たちは遠目に標的を観察中。


 海上をコンクリートで四角く仕切ったエリアに、大小まちまちの小型船舶が所狭しと係留してあり、その長方形をきっちり埋めていた。


 約10艘×4列……あれ、奥の方の船にはどうやって辿り着くの?


 右手にも左手にも森林、暗闇で色彩は定かではないが、良いところだ。


「てか兄貴、どの船?」


 そうなんだ、またしても兄貴、肝心なことを言っていない。


 東郷のやつらも、専らその件について会議中に違いない。


「ハトラス45」


 兄貴は目を細めて俺を見やり、暗号のような言葉を呟く。


「は?」


 そらキョトンだよ、船種なんか告げられても、さっぱりだし。


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