ロシアンルーレットⅡ【コミカルアクション】
「よう、美少年、お手柄だったな。と言ってもそのほとんどは龍と谷口の功績か」


 意地悪シルバー『窪田』の登場だ、うざいし、さっさと消えてくんねぇかな。


 その声に振り向いた多恵ちゃんは、もの凄い速さで谷口さんの後ろに回り込み、身を潜めた。


「お前の奥さん、感じ悪ぃな」


 窪田は照れたように苦笑する。


「すみません、守ってもらったのに」


 谷口さんは、申し訳なさそうに謝った。


 窪田はフッと微笑むと、


「『守ってもらった』か……どうかな。下心からだったりしてな」


 そう言って意味深な笑みを谷口さんと多恵ちゃんに向ける。


 こいつの根性捻じ曲がってんな、最悪だ。


「俺は、丈夫そうな女が好みだ。お前から、彼女を奪ってやろうと思ったんだけどなぁ」


「あなたなら……それができたのに……」


 その言葉に、多恵ちゃんが谷口さんの背中をポコポコ殴りだした。


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