ロシアンルーレットⅡ【コミカルアクション】
俺は仕事休みの今日、どうしてもやらなければならない事がある。
それを成し遂げる為、俺は朝から乃亜が勤めている花屋へ向かった。
澄み渡った青空が心地良い。
今日の結果がどうであろうと、俺はきっと後悔はしないだろう。
店内に客はおらず、理沙はカウンターで雑誌を読んでいた。
給料泥棒め。
そして、乃亜は、商品の花に水遣りをしていた。
乃亜から花たちに注がれる視線は、優しく、愛でるようで……
思えば、あの眼差しに惹かれたのかもしれない。
俺もあんな風に見詰められたい、そう思ったのかも。
まず理沙が俺に気付き、バツが悪そうで、それでも愛想良くを心掛けているような、そんな複雑な表情で「いらっしゃい」と言った。
俺は「おう」とだけ答え、乃亜の元へと向かう。
傍らに立つと、乃亜はゆっくりと視線をこちらに移す。
そして、見上げるようにして俺の顔を確認すると、たちまちその目を揺らして涙を浮かべた。