ロシアンルーレットⅡ【コミカルアクション】
 が、乃亜がブッと吹き出した。


 一旦緊張の糸が切れると、もうどうにも笑いが止まらないようだ。


 クスクスと笑い続ける。


 だって俺の顔、口、そして鼻、耳にまでタバコがささってるからね。


 目的を果たした俺も、乃亜につられて微かな笑みを漏らし、顔中にささっているタバコを一本一本抜き取って、丁寧に箱に戻した。


 昨日、同期の良治(ヨシハル)に、人数合わせのため頼み込まれて、俺はしぶしぶコンパに参加した。


 そのせいで、乃亜はご立腹だった。


 ようやく乃亜の機嫌が直ってホッとする。


 寝起きから、しんどい…


 女はやっぱりめんどくさい。


 乃亜はダイニングテーブルの上に常に置いてある、ペンとメモを手に取り、何やらサラサラと書き始めた。


 そのメモ書きを俺の面前に突きつける。


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