ロシアンルーレットⅡ【コミカルアクション】
不意にその声が止み、直後、多恵のいる部屋の扉が乱暴に開け放たれた。
多恵を見詰めていた男はそちらを振り返り、多恵も視線を目の前の男から、新たな侵入者へと移す。
「なんだ、木戸さん、ここに居たんすか。」
翔馬をこの部屋から連れ出した男だった。
木戸と呼ばれた男は、その問いに対して答えることなく、黙ったままゆっくり立ち上がった。
木戸が言葉を発しないのはいつものことらしく、男は気に留める様子もなく、立ち上がった木戸に対して続けて言った。
「あいつ、身動きとれねぇように柱にくくっときました。ちぃとは暴れるかと思ったんですけどね、大人しいもんでした。」
「そうか。」
木戸は、そんなことわかっていたとでも言うように、そう一言だけ呟き軽く頷いた。
それを見た男が、
「この女、やっちゃっていいっすか?」
木戸の機嫌を伺いながらも尋ねる。
その言葉を聞き、多恵は塞がれた口で必死に声を上げた。
木戸に助けを求めて…
多恵を見詰めていた男はそちらを振り返り、多恵も視線を目の前の男から、新たな侵入者へと移す。
「なんだ、木戸さん、ここに居たんすか。」
翔馬をこの部屋から連れ出した男だった。
木戸と呼ばれた男は、その問いに対して答えることなく、黙ったままゆっくり立ち上がった。
木戸が言葉を発しないのはいつものことらしく、男は気に留める様子もなく、立ち上がった木戸に対して続けて言った。
「あいつ、身動きとれねぇように柱にくくっときました。ちぃとは暴れるかと思ったんですけどね、大人しいもんでした。」
「そうか。」
木戸は、そんなことわかっていたとでも言うように、そう一言だけ呟き軽く頷いた。
それを見た男が、
「この女、やっちゃっていいっすか?」
木戸の機嫌を伺いながらも尋ねる。
その言葉を聞き、多恵は塞がれた口で必死に声を上げた。
木戸に助けを求めて…