ロシアンルーレットⅡ【コミカルアクション】
「知らねぇな。」


 杉下は素っ気なく答えた。


「驚かねぇの?」


「別に。俺たちの仕事は常に死と隣り合わせだ。いつ死んだっておかしくない。」


 動じることなく淡々と答える。


「それはあんたみたいな大物の話だろ? 小手川みてぇな小物、誰が命狙うよ!?」


「さぁ?」


 嘲笑うかのような、挑発とも取れる小バカにしたような笑みを、杉下は俺に向けた。


「じゃぁいいや、質問変えるわ。あんた、小手川が死ぬ直前、小手川の家に行ってるだろ? 聞きたいことがあるとかなんとか… 小手川の女が目撃してんだよ。」


 ちょっとムカついたけど、あくまで冷静を装い更に尋ねる。


 杉下は、僅かだが目を泳がせた。


 明らかに動揺している、まさか小手川の女が自分のことを知ってるなんて思わなかったんだろうな、女の情報収集力侮ると非常に危険、俺も気をつけよう。


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